2007年12月04日

出かけてみませんか  〜能楽堂〜

今回は「幽玄」と云う言葉で表現され演じられる「能・狂言」専用の劇場、
能楽堂に足を運んでみました。
近年、ユネスコの世界無形文化遺産に指定され、日本の伝統芸能の、西洋のそれとは異なる芸術に目を向けた時、その均整の取れた不思議な美しさに深い感動を覚えます。
舞台は三方吹き抜けで、四方には屋根を支える柱があり、正面には老松が描かれています。舞台の床面は総桧の厚板が使われ、弾力を保たせ、音響効果に於いても独特の工夫がなされています。 
屋根は反響版の役目を兼ね、観客との境には幕はありません。
演者の登・退場する大切な通路は「橋掛り」と呼ばれ、様々な空間を表わし、3本の松が植えられています。舞台の周りを観客が取り囲み、マイクなどの音響や舞台装置、照明など変化させずに、一体となって、その世界を高めます。能の源流を辿ると遠く奈良時代まで溯りますが、今日の「能」にまで芸術性を確立したのが世阿弥です。作曲論、歌唱論、演出論etc、多くの著作を行いました。中でも今なお我々に多くの示唆を与える「初心忘るるべからず」は世阿弥の云葉としては余りにも有名です。
能楽堂は大阪府内にも約7〜8軒ありますが、野外能楽堂を含めると更に多く、近年薪能などで気軽に鑑賞できるものとして人気がありますが、正式な舞台は能楽堂にありますから、その真価に触れるには、一度能楽堂に出かけてみませんか?                   
            大阪能楽会館 大阪市北区中崎西2丁目3-17
                   TEL 06-6373-1726
                             
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2007年09月19日

出かけてみませんか 〜ヤマハ来客会館 選定室〜

今回は近畿を飛び出し静岡県は浜松の地に降り立ちました。 
目指すは同機種のピアノの弾き比べが出来る“選定室”です。
ヤマハグランドピアノを購入する際、近くの楽器店で試弾し機種を絞込みますが、
その後に同じ機種の中から好みの1台を選ぶための部屋です。
 
ちょっと出かけて・・・という軽い気持ちで移動できる距離ではありませんが、
1日に何本かある浜松駅に停車する新幹線を利用すると、
京都駅から1時間半で目的地に到着です。
 
名だたる世界の演奏家たちの写真パネルが並べられた廊下を案内され、
通された室内はグランドピアノが3台入ってもまだまだ余裕がある広さですが、
床は絨毯張り、天井もそれほど高くなくという自宅での実際の使用に近い環境にしてあります。

では、早速音出しです!
1台目・・・新品らしいこもった音。奥ゆかしい抑えた音色。粒が揃い気分よく弾けます♪
2台目・・・1台目に似ているものの高音部が少々華やかで軽やかに変化。
3台目・・・前の二台とは明らかに違い華やか。でも、新品からこの音だと弾きこんだ後が少々心配。

一通り触ったこの時点で、製造技術も向上した今の世の中、同じ型番で括られたピアノに
そんなに大差は無いという勝手な思い込みは消滅。
並べられた3台はそれぞれに、意外に思うほどはっきりと異なった個性を持っていました。

この音の違いにはピアノの大部分を占める「木材」や、
直接弦に触れる「フェルト」が関係しているようです。
同じ機種でも使われている木材の産地は一箇所ではなく
欧州のものであったり北海道であったりと幅広く、
ハンマー部分のフェルトの硬さも羊の毛を圧縮する際、一定にはなりにくいとのこと。
ピアノが手作業で作られていることを改めて実感したお話でした。

さて、選定室で弾き込むうち、曲によっても音色の好みが分かれたりするのですが、
結局は第一印象が一番良かった1台に決められる方が多いようです。
選んだピアノには氏名と番号が入った「選定カード」なるものが取り付けられ、
あとは約1週間後にピアノが自宅に届けられるのを待つという運びになります。

遠方ですが、今後、新しいピアノを迎え入れることになった際には
十分に行く価値はあると思います。
ぜひ相性を見極めに「選定室」を訪れてみてください。 

※訪問の際は実際に購入される楽器店の方に日時の設定等お任せください。


ヤマハ来客会館 9:00〜17:00   休館日:土、日、祝
http://www.yamaha.co.jp/about/corporate/showroom/index.html
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2007年04月16日

出かけてみませんか 〜逸翁美術館〜

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 今回は池田市の五月山のふもと、閑静な住宅街にある落ち着いた佇まいの逸翁美術館をたずねました。
 関西屈指の大実業家、小林一三(逸翁)の旧邸を美術館に改造した洋館はそのものが美術館。シャンデリアも彼自身がヨーロッパから買い付けてきたものが今も使用されていたりと、その趣味から人となりが伺えます。
 当日は「千家のお茶と職家のお道具」と題した展示会が開かれており、数々の逸品に茶人としても知られる一三のコレクションをじっくりと見ることが出来ました。それには事業だけでなく文化的な嗜み・・・文学・美術・音楽などさまざまに心血を注いだ文化人らしい趣味が伺え、ことのほか茶に精通し84歳の生涯で20歳代から収集を始められた書画、陶磁器等のコレクションは重要文化財を含む5000点余りに及ぶと言い、それだけで茶道の奥深さを物語っている気がします。
 この優雅な邸には後年作られたテラスがあり、3つの茶室が並ぶ美しい庭を眺めたり、鳥のさえずりを聞いたりすることができます。この庭で静けさの中に身をゆだねる時、ふと、逸翁もこうして心静かに茶を点て、事業のヒントを得ていたのかもしれない、と閃いた・・・今度演奏する曲のヒントを得に、また訪ねてみようかしら。


財団法人 逸翁美術館
池田市建石町7-17 TEL 072-751-3865 
http://www.itsuo-museum.com/
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2006年12月05日

大山崎山荘美術館

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その日、静かな山崎駅を降りまだ夏の余韻を残しながらの日差しと、はっきりと秋を思わせる風とを受けながら山荘送迎バスに乗った。線路を渡るのに何本か電車を見送り、目の前のしっかりと続く坂を上がると無造作にバスは止まった。私たちはゆっくりと外に出た。辺りを見回すと何の変哲もないむき出しの看板に、「秀吉の道」なんてものもある。西欧文化に憧れ、加賀正太郎自らが設計した「大山崎山荘」にモネを見に行こうとしているわたしの頭の片隅にはベートーヴェンの月光の2楽章が静かに流れていたのに、「秀吉」の名前を見て、遠くにほら貝の音とともに大軍勢の足音、鎧のきしむ音、馬の鼻息などが聞こえた気がした。が、これもまた、この道が様々な歴史を刻み、人々を育んできた道だからであろう。と、気を取り直し、有形文化財として新規登録されている「トンネル」を抜けた。

そこは秋に色づく前の伸びやかな木々の緑で気持ちよかった。きっと秋深くには紅葉が美しく、冬は凛としたたくましさを見せてくれるであろう。春には山の小鳥たちのさえずりとともに、小さな命たちが誕生し芽吹き、桜の花を誘いあたりを明るくするだろう。夏には思い切り伸ばした木々の枝葉は人々を心地よくしてくれるだろう。

その中にモネの絵や展示されているものを見る。訪れる者の気持ち、その日の気候、仲間と一緒か一人なのか、様々なシチュエーションで様々な思いや音が聞こえてきそうである。

2階にある喫茶の「テラス」からの景色は私にボレロを思い起こさせた。彼自身が思い描いている世界はもっと違うものだろうが。だが「大山崎山荘」は、手入れされた庭を散策し自然に目を向け歴史や文化に思いを馳せながら、自分を解放することの出来る、とっておきの場所である、ということには間違いない。皆様にはどんな音が聞こえてくるだろうか。

アサヒビール大山崎山荘美術館
〒618-0071京都府乙訓郡大山崎町字大山崎小字銭原5-3
TEL:075-957-3123(開館時間:午前10時〜午後5時)
http://www.asahibeer-oyamazaki.com
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2006年11月10日

ちょっと出かけてみませんか? 〜ベーゼンドルファー〜

今回は世界的に知られたオーストリアのピアノメーカー《ベーゼンドルファー》の大阪ショールームに行ってきました。1828年にイグナーツ・ベーゼンドルファーにより創業されて以来、F.リストや各国の皇室・王室御用達としても愛用されたというその魅力をたっぷり伺いました。

びっくりしたのは、90年かけて成長した木を切る時期、時間まで決めて切っているということ。森の復元サイクルにあわせているので、創業から175年の歴史の中で、総生産台数が僅か4万6千だということ。1台の85%に響板材と同じスプルース材を使用し、側板にもその1枚板の内側に多くの切込を入れて響かせているということ。見せて頂きましたが、その結果「木」がどこにもストレスを感じないそうです。
また、ベーゼンドルファーといえば97鍵の「インペリアル」!完全な8オクターブの音域は、バルトーク、ドビュッシー、ラヴェル、ブゾーニなどが本来意図した響きを再現しますが、弾きこなすのは難しそうです・・?!そして、歌声や管弦楽器との相性も良く、ステージでの演奏者の音楽を、ピアノが生きているかのように引き出してくれるそうです。高槻出身のソプラノ歌手佐藤しのぶさんも、コンサートではベーゼンドルファーを指定されるとか…。1年以上の時間をかけて丁寧に製造されたピアノの魔法でしょうか?

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写真は、オーストリア・ハンガリー帝国から明治天皇へ納められた献上品です。純金の装飾をふんだんに取り入れたデザインで、職人達はマルコ・ポーロが「黄金の国ジパング」と表現した日本に思いを馳せながら製作にあたったことでしょう。

日本ベーゼンドルファー 大阪ショールーム
大阪市淀川区西宮原2-1-3 SORA 21 1F  TEL 06-6392-0200
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